2011年9月14日水曜日

metujin ekikyou 日誌「雷天大壮 四」「アメリカの水問題シリーズ2」「オガララ帯水層枯渇問題」


http://www.excite.co.jp/News/science/20110902/Fujiyama_water_1889.html

アメリカ・テキサス州 干ばつによる水不足が深刻化、下水再生水を
飲料水に利用
2011年9月2日 18時00分


2011年8月22日、現地の報道機関によると、アメリカテキサス州の
コロラドリバー水道区で下水再生性水を飲料水として利用する計画ある
ことが報道された。テキサス州では、約40日連続で華氏で3ケタ超えの
気温(約摂氏38度)の干ばつに苦しんでいる状況である。
(参考:2003年に空中爆発したスペースシャトル「コロンビア号」の
部品、干ばつにより水位低下した湖で8年ぶりに発見)
image from Mr. T in DC
今回の新しい淡水資源を飲料水として利用することになるのは、
テキサス州のビッグスプリングと周辺3市である。この水道区の人口は
約27,000人となる。供給の開始は2012年初頭を予定しており、設備の
総工費は1300万ドルとなる。
下水再利用水を飲料水とするために、逆浸透膜によるろ過が行われ、
過酸化剤、紫外線による殺菌、汚物の処理が行われる。これによって、
1日あたり飲料水200万ガロン(756万リットル)の供給が可能となる
という。テキサス州では「トイレの水だから嫌だ」といっていられない
という程に干ばつ被害が深刻であるとのことである。

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アメリカの水と食料の問題はそっくりそのまま日本の問題に直結
しますのでシェールガスの問題に続いて
アメリカの「化石水枯渇の問題」を「易経」に尋ねてみたいと思います。
畜産物にしろ食料にしろそれを輸入するという事は日本も一緒に
なってその生産のための「仮想水」を消費している事ですからね。

これは人事ではない。

中西部から南部にかけての穀倉地帯を支える「化石水」
オガララ帯水層は、北はサウスダコタ州から南は米国最南端のテキサス州
に至る超巨大な「化石水 帯水層」でありますが、近年これも枯渇への
道を歩んでいるようです。


「占題」「アメリカの化石水枯渇問題」「その対処法は如何に」

「雷天大壮 四」

(::||||) (:::|||)泰

「卦  辞」
「大壮。利貞。」
(たいそうは。ていによろし。)

象に曰く、
大壮は、大なる者壮んなるなり。剛にしてもって動く。故に壮んなり。
大壮は貞しきに利ろしとは、大なる者正しきなり。
正大にして天地の情見るべし。

----大壮は貞しきに利ろしというのは、大なる者は正しくあれという
ことである。。人が正大であれば天地の正大な実情をも見ることを
得るであろう。


「四爻    爻辞    貞吉。悔亡。藩決不贏。壮于大輿之輹。」
(貞しければ吉にして悔亡ぶ。まがきひらけてくるしまず。
大輿のとこばしりにさかんなり。)

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変卦「地天泰」

「泰 四爻」
「四爻    爻辞    翩々不富。以基鄰。不戒以孚。」
(へんへんととしてとめりとせず、その隣とともにす。いさめずして
もって孚あり。)

「象伝」
翩々として富めりとせずというのは、三陰がいずれもその富貴充実を捨て
去っているからである。いさめずして孚ありというのは、中心からそれ
を願っているからである。

※ 翩々すなわちぱたぱたと翼を揃えて舞いおり、---

「岩波 易経」

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 まずは 以下の副占から

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オガララ帯水層枯渇問題 副占
この卦徳だと補充のきかない化石水と思っていたが
ロッキーの雪解け水か何かで 「随」「小畜」 補充される象
のようだが
あってますか。

「水山蹇 初」
「 初爻    爻辞    往蹇來譽。」
(ゆけばなやみきたればほまれあり。)

(:|:|::)蹇 (:|:|:|)既済

伏流水になって下から抜けてるんだな。 

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この副占はもともと出すつもりもなかったのだが、ざっくばらんに
「易経」に尋ねるいつものものをそのまま出してみました。
どうしても補充のきかない
「化石水」のイメージが頭から離れないもので副占にて確認して
みたわけです。

主卦「雷天大壮」(::||||)
内情「沢天夬 」(:|||||)
変卦「地天泰 」(:::|||)
内情「雷沢帰妹」(::|:||)

そういえば若干地下水位が増えていた場所もあるにはあったように
記憶しています。

何故に上記のような副占を起こしたかというと
主卦内情に更に裏事情を尋ねるならば「山地剥」(|:::::)と
いう卦徳になります。
これは地下水を組み上げすぎて「剥落」する今の現状を端的に示して
いるようです。

では何故にそうなるのかと云えば変卦「泰」の内情「雷沢帰妹」
(::|:||)にそれが示されている、
「帰妹」というのは毎度説明する通り「位」当たらずという卦徳になり
ます。
「正妻」にあらずという卦徳であり、女の人ならいじって遊ぶ方^^)
「お妾さん」であり
品物ならバッタ物、ブランドにあらずという象になります。

この場合は農法を指摘していますので灌漑農法 そしてオガララ帯水層
を利用する灌漑農法で有名なのは「センターピボット」方式
を含め農法に「位」あたらずの面があるという事を指摘している
ものと思われます。


「雷沢帰妹」(::|:||)という卦徳は読んで字の如く 「雷沢」 
であり、「乾」(| ||)の円を描いて「坎」(:|:)の水を撒く
方式であり
変卦「泰」四爻の爻辞 説明にある、

※ 翩々すなわちぱたぱたと翼を揃えて舞いおり、---

イメージ的にはセンターピボットそのもになるかと思います。

でどこが問題なのかというと約象として三爻~上(六)爻にかけて
「雷水解」の約象(::|:)が入っていて、内卦「兌 沢」(:||)
と被っている、これが何を示すかというと
外卦「震 雷」(::|)の野菜だとか作物に必要な水は「解」の約象
分あれば足りるという事。
現状使用する水を六とした場合そのうちの二は余分な水を撒いている
象という事になります。
後述しますが主卦と合わせて判断するなら半分は無駄に使っている
象になるようです。

何故にそういうムダが出るのかと裏事情に尋ねるなら
裏事情は「風山漸」(||:|::) この中には約象として同じ
三爻~上(六)爻まで引き出してみると「風火家人」(||:|)の
約象が見える。
つまりは風と太陽でそれだけのムダが出るんですよという象になり
主卦と合わせて判断するなら地下に抜けていく分の「兌 水」(:||)
は塩害を呼ぶものでありこれもまた無駄な部分である旨
暗示しているようです。

※ムダに地下に浸透し塩害を呼ぶ分が六分の一の象になります。

なのでこの「センターピボット方式」を軸にした農法というのは改良の
余地があり、更新の必要性がありますよという象になるのでは
ないでしょうか。


----アメリカの農家の方々が今後共安泰で有る為に必要な事------

主卦「雷天大壮」(::||||)四爻
を逆から眺めると「天山遯」(||||::)という卦徳になります。
逆からですので三爻がその指すところとなります。

読んで字の如くでありますから実際離農された方もいるようですが
その爻辞を引用しますと


「天山遯 三爻」
「三爻    爻辞    係遯。有疾厲。畜臣妾吉。」
(とんにつながる。やまいありてあやうし。しんしょうを
やしなうにはきち。)

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 塩害であるとか農薬であるとかもろもろの疾を表現し、なおかつ
今後農家が離農する「遯」の「象辞」になるのではないでしょうか。
今後共
最低でも家族「大にとってみればアメリカ国民 アメリカ一家」を養う
ぐらいの事はできるのでありますから
外卦「乾 天」(|||)の議会州政府等の公的機関を交えて 
今後の方針を決めていく必要がある象になるものと思われます。

変卦「地天泰」

「泰 四爻」
「四爻    爻辞    翩々不富。以基鄰。不戒以孚。」
(へんへんととしてとめりとせず、その隣とともにす。いさめずして
もって孚あり。)

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近隣もそうですがオガララ帯水層を利用する州政府農家同士話し合い
調整 して最終的には主卦の「辞」である


----大壮は貞しきに利ろしというのは、大なる者は正しくあれという
ことである。。人が正大であれば天地の正大な実情をも見ることを
得るであろう。


「四爻    爻辞    貞吉。悔亡。藩決不贏。壮于大輿之輹。」
(貞しければ吉にして悔亡ぶ。まがきひらけてくるしまず。
大輿のとこばしりにさかんなり。)

九四は陽剛居柔、進むに壮んだとはいえ進む先は陰爻ばかりでさしたる
支障もない。故に貞正であることを忘れなければ吉であり、
懸念された悔もなくなるであろう。
たとえて言えば、まがきが開けて進む事ができるようになり、
角を引っ掛けて苦しむようなことはなくて済む状態であり、
大きな車のとこばしりがますますけ堅固強壮で大いに進むことが
可能になるような状態である。

「象伝」
まがきひらけてくるしまずというのは、前に進むことが肝心という
意味である。

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この段階まで持っていくのが理想的ではあります。 


----水資源を「地雷復」させる為に具体的にはどうすべきか ? ------

「オガララ帯水層復活」「地雷復 プロジェクト」^^)

主卦「雷天大壮」(::||||)
変卦「地天泰 」(:::|||)

条件たる外卦のみ比べてみると「震 雷」の植物(::|)
変卦ではその部分「坤 地」の地面
植物として「震」(::|)を見るなら「易経」が指し示した部分は
その根の部分という事になる。
主卦変卦共通の内卦である「乾 天」に裏事情を問うなら「坤」(:::)
のこれまた耕作地を表象する、では何故「易経」はこの部分ストレート
に「坤」(:::)と表現しなかったのかというと、これは
シェールガスの時も出てきましたが、ケミカル的なもので土壌改良
し保水、節水更には「乾」の意味である塩害防止等の措置を取るよう
にとの事だと推測される。
土質改良において有名なのはベントナイトであるとか近年は高分子化合物
等考えられる。

調べてみましたら 以下のような論文も出てきました。
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 http://jdream2.jst.go.jp/jdream/action/JD71001Disp?APP=jdream&action=reflink&origin=JGLOBAL&versiono=1.0&lang-japanese&db=JSTPlus&doc=88A0510841&fulllink=no&md5=9a261042f45002c3943334dc17691254
 整理番号:88A0510841  著者名:松本聡 (東大 農), 大和裕 (ライオン)
 和文標題:高分子水溶液の土中浸透により形成される不透水層 I
 乾燥地農業における新農業技術としての展望
 英文標題:Impermeable layer formed by infiltration of polymer
 solution into soil. 1. Its view as new agricultural technology
 for arid region.

 抄録:乾燥地農業には用水の確保以外に節水と塩害防止という二つの重要
 な課題がある。演者らはこれを同時に解決する方法として高分子水溶液を
 地表に散布するだけで不透水層を土中に形成させる研究を行ない,
 ポリアクリル酸の部分中和物により狙い通りの現象が起ることを
 発見した。更にこの方法で形成した不透水層の節水効果と塩害防止効果
 を把握するため砂土壌で大麦栽培試験と地下水位一定の蒸発実験を
 行ない良好な結果を得た
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易卦上は現状「山地剥」の元である「沢天夬」(:|||||)
を眺めると判る通り「兌 沢」の水を天から撒くスプリンクラー
方式になっていてこれが無駄に繋がるやり方であるのが考察
できます。
上記に「帰妹」の農法として説明しましたが半分は無駄に消えている
そのウチの更に三分の一は地下に浸透しこれは塩害の元であると
いう事。

これに対処するためには
引用論文にあるように、
《乾燥地農業には用水の確保以外に節水と塩害防止という二つの重要
  な課題がある。演者らはこれを同時に解決する方法--- 》
を講じる必要性がある、
これは今回出てきた変卦「地天泰」(:::|||)に示される土質
改良そのままであり、ひいてはアメリカ国民の食料確保 生産農家
の安泰まで暗示する。

その土質改良をした上での理想的なやり方なのは
これまでは
センターピボットによりかなり上から水を撒いていた
「沢天夬」(:|||||)灌漑農法。これを変更し 外卦天にあった
「兌 沢」(:||) を内卦地面にもってくる
「天沢履」(|||:||)灌漑農法とも云える「地中点滴灌漑法」
のような感じにするのがよいのではないでしょうか。


「地中点滴灌漑法」 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%82%B9%E6%BB%B4%E7%81%8C%E6%BC%91

《近代的な点滴灌漑の開発は、ドイツで研究者たちが土管で作った
灌漑兼排水システムを用いた地中灌漑の実験を行った1860年に
始まった。1913年、E.B.Houseがコロラド州立大学で地下水位を
上げずに植物の根群域への水の供給に成功した。1920年代にドイツ
で穴が空いたパイプが売り出され、1934年にO.E.Robeyがミシガン
州立大学で多孔質帆布ホースを通して灌漑実験を行った。》

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地中点滴灌漑法はドイツアメリカが嚆矢であるようです。
この地中点滴灌漑法は理想ではありますが、せっかく今まで設備
投資した施設を廃棄してまでやるとなるとこれはついてくる農家が
ないのでは無いかとおもわれますので現状のセンターピボットを
改良改修しつつ力のある農家は順次更新されるのがいいものと思われます。
最低限土質改良はやった方がいいのではないでしょうか。

それらの「 辞 」としては

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「天沢履 五爻」

「五爻    爻辞    夬履。貞厲。」
(ふむことをさだむ。ただしけれどもあやうし。)

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「天沢履」(|||:||)地中点滴灌漑農法 と勝手に作ってしまい
ましたが
「山地剥」に対処する為のものですので仕方ないですね。
そしてこれを裏返すと(:::|::)という卦徳になります、
地面(:::)の下に何やらホースが這っています。 ^^)
これはお辞儀の卦徳でもあり表は「履」の礼節を踏むでありますから
政治家 政治的なものをも意味します。
また説明が後になりましたが、これまで説明してきた通り 州政府
議会等話し合いをして枯渇を防止する話合いをする象でも
ありますので
その指すところは四爻から一つ進めて五爻という事になります。

また踏む 「履」ですのでね、これからも導き出せるわけです。

(ふむことをさだむ。ただしけれどもあやうし。)

ですから、強制力のある何らかのオガララ帯水層地下水組み上げ
規制が出てくるとは
思いますがいくら規制したからといってみんな生活がかかってきます
のでこれまでに解読してきたところの「土質改良」を伴いなおかつ
過渡的なものも面倒みてあげないとアメリカの農家がいかに裕福な存在
であろうとついて来るのを期待するのは厳しいのではないで
しょうか。


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昔子供の頃にリーダズダイジェストの小冊子を読んだ事がありますが
アメリカの大地はそれこそ氷河期の頃からの積みさかねた腐葉土
がそれこそ5メートルはあったといいます。
普通には農家が何年も何年も堆肥入れたりして丹精して作る土が
あの大陸一面五メートルの厚みであったといいますから子供
ながらにドッヒャ~ と感心してしまった記憶があります。

その頃からその雑誌はそれらの肥沃な土地が風散して その
危機を指摘してはいたのですが。

アメリカの場合というかオガララ帯水層に関しては上記の
ような卦象のようですので 上手く水にしろ環境にしろ保全
しつつ繁栄安泰を図っていただきたいと思います。

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